1. 依頼会社の状況
依頼会社は、試用期間中の従業員に対して業務遂行能力の不足を理由に面談を行い、本採用をしない方向で労働関係の終了を検討していました。面談の過程で試用労働者は雇用取消ではなく勧奨退職としての処理を要求し、面談の翌日にチーム長へ長文のメッセージを送り、職場内ハラスメント被害に言及しました。依頼会社は過去にも試用評価の結果に応じて労働者から退職願を提出してもらい労働関係を終了した事例がありましたが、今回の事案はハラスメント主張まで提起され、法的リスクが懸念される状況でした。
2. あなたの法務チームの助言
あなたの法務チームは、試用労働者に対する本採用拒否が形式上は試用の終了であっても実質的には解雇に該当しうるという点を前提に、合理的理由の有無と手続的リスクを中心に検討しました。特に、職場内ハラスメント被害が言及された以上、労働関係の終了が申告に対する不利益取扱いと解釈される可能性を重点的に分析しました。これに従い、依頼会社には一方的な契約解除よりも、労働者の自発的意思に基づく勧奨退職の方式で処理することがリスクを最小化する方策であることを案内しました。あわせて、労働関係終了の有無とは無関係に、職場内ハラスメント主張については別途客観的な調査手続を遅滞なく進めなければならない点を明確にしました。
3. 結果
依頼会社は、試用労働者に対する労働関係の終了方式を調整することにより、不当解雇および報復的取扱いとして争いが拡大する可能性を事前に遮断することができました。また、職場内ハラスメント調査義務を別途認識し、内部手続に従って事実関係の確認および後続措置を準備できる基準を整えました。これを通じて、今後同様の試用労働者紛争が発生した際に適用できる実務対応ガイドを確保することとなりました。