1. 依頼会社の状況
ある教育・コンサルティング企業は、所属講師が外部のフィッシング犯罪者に第三者の個人情報を流出させた事実関係が確認されたため、契約違反による違約金請求および損害賠償の可能性を検討しようとしました。あわせて、当該流出行為が刑事処罰の対象となり得るかについても助言を求めました。
2. あなたの法務チームの助言
あなたの法務チームは、まず違約金請求のために契約書上の秘密保持条項および信頼毀損条項を検討しましたが、流出した個人情報を法律上の営業秘密とみなすことは困難であり、反復的または公然たる毀損行為の要件も満たされないため、契約違反として認められることは難しいとの判断を示しました。民事上の損害賠償請求についても、損害の発生および金額の立証が困難と予想され、実効性が低いと評価しました。刑事面では、個人情報保護法違反の可能性を検討しましたが、流出者が法律上の「個人情報取扱者」に該当しない可能性が高く、刑事責任を認めることも容易ではないとみました。ただし、事実関係が不明確である点を踏まえ、捜査機関の判断を仰げるよう、告訴または告発の可能性についてもあわせて案内しました。
3. 結果
依頼会社は、あなたの法務チームの検討に従い、無理な損害賠償訴訟や違約金請求は避け、事実関係の確認後に捜査機関へ告訴するか否かを検討する方向へ戦略を調整しました。これにより、不要な法的紛争を予防し、実益のある措置を中心に事案を整理することができました。