1. 依頼会社の状況
依頼会社は、取引中の業者が資金難で個人再生を準備中であるという情報を入手し、まだ再生手続開始前の段階で未回収債権の回収を最大限確保しようとしました。取引銀行の通帳、カード売上債権、不動産など再生財団に含まれうる資産に対する仮差押えの可能性、そして代表者からの優先弁済確認書の受領の法的効力について検討を依頼しました。
2. あなたの法務チームの助言
あなたの法務チームは、まず個人再生手続の前後における仮差押えの効力の違いを説明し、再生開始前の仮差押えであっても裁判所が手続中止を命じる可能性が高いことを案内しました。また、代表者が作成した優先弁済確認書は再生手続開始後に偏頗行為として無効になりうるものの、再生が不許可となったり廃止される場合には債務存在確認の証拠として活用できることを助言しました。あわせて、再生前の一定期間を置いて担保権を設定する場合の否認権行使の可能性などの法的リスクを具体的に検討し、時期と手続を考慮した対応戦略を提示しました。
3. 結果
依頼会社は、再生開始前に不要な仮差押え手続を進めることなく、代表者から優先弁済確認書を受けて債権関係を明確にし、担保権設定の時期と手続を調整することで今後の否認権リスクを最小化することができました。これにより、法的費用負担を減らしつつ債権回収の可能性を最大化する戦略的対応が可能となりました。